コンドームが出来るまで
AIDSを含む性感染症や望まれない妊娠からみなさんを守るコンドーム。
相模ゴムのコンドームの素材には「天然ゴムラテックス」と「ポリウレタン」がありますが、
ここでは天然ゴムラテックス製コンドームの作り方をご紹介します。
原料の天然ゴムラテックスの採取
コンドームの原料である天然ゴムラテックスは、主に東南アジアのゴム園で採取されます。写真のように、ゴムの木に斜めに切り目を入れて、流れ出てくる樹液を採取します。
採取された樹液は、丁寧に精製・濃縮され、様々な項目に渡る厳しい検査に合格した「プレミアムグレード」の天然ゴムラテックスのみが相模ゴムに輸出されます。
もちろん相模ゴムでも同様の厳しい品質検査を行い、合格したものだけが原料として受け入れられます。

薬品の配合
コンドームに強度や伸縮性を与え、原料を均一化させるために、数種類の薬品を配合します。
この配合工程は、コンドームの基礎的な品質の決め手となるため、慎重に行われます。


成形
先ほど配合した液状の天然ゴムラテックスを大きなプールに入れて、その中にコンドームの形をしたガラスの型を浸します。
そのガラス型を引き上げると、液がガラス型に付着します。その付着した液を乾燥させて、ガラス型から取り外せば、コンドームの形が出来上がります。

全数ピンホール検査
コンドームは、「ピンホール」と呼ばれる微細な穴がないかどうかをチェックするために、必ず全数検査が行われています。
コンドームの形をした金型に、1本1本コンドームをかぶせて、お湯が入ったプールに浸し電気を流します。万一ピンホールがあれば、金型に通電しますので、そのコンドームは穴のあるものとして機械的に判定され自動的に排除されます。
この工程で合格した製品だけが、クルクルと巻き上げられて、みなさんが良く見るコンドームの形になります。

個包装
巻き上げられたコンドームは、潤滑剤が塗布されて、1つ1つ個包装されます。
香り付きのコンドームはこの段階でフレーバーを注入します。

パッケージング
個包装を消費者用の箱に詰めた後、製造番号および使用期限を表示し、商品の過不足がないよう重量チェックを行ったうえで商品化されます。

さまざまな検査
破裂試験
コンドームの強度を測定する試験のひとつです。
コンドームが破裂するまで空気を入れ続け、破裂するまでに入った空気の量と、どれだけの力に耐えたかを見るための破裂圧力を計測します。国際規格であるISO 4074では、空気量で18リットル以上、破裂圧力で1.0キロパスカル以上であることが定められています。
(折幅:50mm 以上 56mm 未満の場合)

引っ張り試験
これもコンドームの強度を測定するものです。
コンドームを輪切りにして、その両端を引っ張り、破断した時の伸びとどれだけの力に耐えたかを計測するものです。

水漏れ・転がし試験
コンドームにピンホール(微細な穴)がないかどうかを確認する試験です。 コンドームに 水を入れ、一定時間放置して水がしみ出さないかどうかを目視でチェックします。同時にコンドームの形状に偏りがないかも確認しています。
水漏れ試験で吊しておいたコンドームを取り外し、根元部分を縛って、手で圧力をかけながら吸水紙の上を転がしていきます。万一ピンホールがあれば、吸水紙に「染み」が出来ますので、水漏れ試験では発見できない穴も検出することが出来ます。


相模ゴムのコンドームは、医療機器における品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 13485の認証を取得した工場で生産されています。
徹底した製造管理・品質管理がなされ、原材料の受入検査、配合~包装に至る各工程検査、出荷前の厳重な最終検査を行い、合格した商品を皆様にお届けしています。是非恥ずかしがらず、面倒くさがらずに、コンドームを正しく使用してください。